新しい経営事項審査について


今年の4月1日から経営事項審査が改正されます。
公共工事に入札参加する建設業者にとっては、大変重要な意味をもつ経営事項審査です。
経営事項審査結果に「命を掛けている」と言っても良いくらい、建設業者の営業活動を左右するものが改正されます。

今回の改正は、大企業にとっては従前とあまり大きく変わらないように言われておりましたが、大企業であっても、業績の良し悪し、負債の額、自己資本の額などで大きく差がつき、従前に比べ300〜400点の差が出るようです。
そのような中で、中小企業特に売上高5億円以下の会社では、大きく総合評点を下げています。

経営事項審査の総合評定値が700点から1000点くらいの会社では、40点50点から100点くらい下がり、大きく下がる会社では、200点くらい下がる会社もあります。
全会社が一律に下がればいいのですが、中には少しですが従前の評点より上る会社もあり、今迄経営に努力してきたことが余り結果に結びつかなくなってしまっている会社も見受けられます。

今回の改正では、営業年数が大きく評価されており、営業年数10年の会社と営業年数35年の会社では、総合評定値で75点の差がついてしまいます。
それと、借入金と支払利息が売上高に対しての多い会社、売上総利益が総資本に対し小さな会社は経営状況分析点が大幅に下がります。
他人資本で営業しているといわれる建設業界にあっては、大変厳しい改正です。

営業年数は、経営の努力をしても改善することは出来ません。1年1年を地道に積み重ねしていくほかありません。

無借金の経営が出来れば、経営状況分析点を高くすることが出来ますが一長一夕に出来るものではありません。しかし今回の経営事項審査とくに経営状況分析の改正に対応する為には、無借金経営に近づけなければなりません。
それと、自己資本の充実が命題です。

また技術者の確保を行うことも重要になっています。それも1級の国家資格者や基幹技能者、2級の国家資格者などの有資格者を多くすることが求められているのです。

建設業界は大変厳しい状況にあります。バブル崩壊後、耐えるところまで耐えてきて、自己の持てる力、精一杯で経営をしてきた会社に、追い討ちを掛けられているような今回の経営事項審査の改正になる会社も少なくないと思われます。

大阪の府・市町村では、入札参加の格付けを経営事項審査の総合評定値だけでほぼ決めている所が多いようですが、今後は国土交通省が指導しているような、総合評価(経審結果による客観点数と工事実績等の主観点数を組みあわせる)を取り入れた「格付け」になるようにして頂きたいものだと思います。

経営努力と法令遵守を行う企業が評価されるシステムを創っていってもらいたと思います。
 
今回の改正では、「営業年数」という大きく点数差の出る指標が入っており、中小企業特に零細企業においては、「営業年数で格付けの差が出る」と言っても過言ではありません。
営業年数以外の項目で同じような評点を取っている(経営内容に余り差が無い)会社であっても営業年数の多寡によって、総合評点に大きな差が出てしまいます。営業年数も信用力や実績という面からは経営事項審査の評点としては貴重な指標であることは申し上げるまでもありません。しかし今回の改正における評点割合から見ますと、総合評点800点くらいの中で、営業年数35年以上の会社は5年以下の会社に比べて90点の差があります。

営業年数は、前述しましたとおり経営努力だけでは解決出来ません。経営努力を行っている会社が報われる方法、また、経営努力をすることにより「格付け」において「その差」を解消できる方式の採用も必要ではないかと考えます。

それぞれの官公庁における、過去の受注実績や工事成績、市内業者と市外業者、行政への貢献度などの主観点数を加味する方法、特定建設業者については一定の評価をする(特定建設業者として資本金2000万円以上、自己資本4000万円以上、流動比率75%以上の財産的基礎に加え、1級の国家資格者の配置など、経営や施工技術においても、一般建設業に比べ努力を行い維持している会社)などの配慮が必要ではないかと考えます。

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